助成金はブームで終わってはいけない

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こんにちは
昨今、新型コロナウィルス蔓延に伴い、さまざまな助成金や給付金を耳にします。

「なんとなく理解は出来ているけれど実際はどうなんだろう?」
そういった感じではないでしょうか。

歯科業界に携わる機会が多い私も、4年前からキャリアアップ助成金という厚生労働省の助成制度に関する情報を先生方へご案内しています。
このキャリアアップ助成金は令和2年にも制度導入されています。

URL
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/part_haken/jigyounushi/career.html

 

助成金を検討される先生には下記のお悩みや期待がありました。

  • 助成金を使って経営に余裕をもたせたい
  • 新人・中途社員の採用を予定しているが活用できるのか
  • 今いるパートを正社員にした場合に使える助成金はあるのか
  • 「助成金は良いらしい」といった情報をよく聞くが実体が分からないなど

顧問契約をしている社会労務士(以下、社労士)がいれば、その担当者に確認されるのが最善です。
現在の経営状態から推測し、今後の医院経営で必要と思われる助成金は何が活用出来るのか相談なさってください。

助成金を扱う社労士は、下記のケースで推奨されているようです。

  • 人を雇い入れるとき
  • 雇用を維持するとき
  • 処遇や職場環境を改善するとき
  • 仕事と家庭の両立、女性の活躍推進を行うとき
  • 職業能力の向上を図るとき(従業員の教育を行う等)

などです。

ただし、助成金制度を知っている社労士でも、「取扱い」は得意ではないといったケースがあるそうです。
労働時間や社会保険の手続きといった分野は的確にこなすが、助成金は別分野で積極的に案内はしていないといった事情もあるとか。

私が以前聞いた「なるほど」と思った例え話があります。

「弁護士は弁護士でも、相続に強いタイプ、民事に優れたタイプ、離婚訴訟に強いタイプだったりたくさんあるでしょ?
医療でも、同じお医者さんだけど、内科、外科、歯科、耳鼻科とかいっぱいあるさ?
それと同じで得意な分野ってあるんだよね。」
そんなお話を伺いました。

たしかに一理ありますね。

また、助成金申請作業はスポット契約となるケースが高く、労力に対しての対価が薄いため、といった理由もあるそうです。

それでは、先生方からご相談を受ける質問をピックアップしましょう。

 

社労士との契約はないけど申請できる?

この質問は非常にポピュラーです。
経営者である先生が書類を準備・作成は出来るそうです。
しかしながら、その作業は現実的ではないと感じます。
日々の診療やセミナー参加、プライベートで家族サービスなど多忙を極める先生です。
助成金に体力を費やすのは得策ではないでしょう。
必用提出書類などのボリュームが多くあります。
アウトソーシングで進めるのが良いでしょう。

 

すべて社労士に相談しなければだめですか?

さきほど挙げた「人材採用する予定がある」「パートを正社員にしようか検討している」「仕事が効率的に出来る機材を導入したい」
この3つが該当しそうであれば、身近な相手にご相談されることをおすすめします。。

ご相談相手は
周りで助成金をやっていそうな他業種の知り合い
顧問の税理士
出入りの業者
歯科メーカー
もちろん弊社でも無料でご相談は大丈夫です。

 

助成金の対象にならないケースは

助成金を申請しても不支給となる場合があります。代表的なケースは下記の通りです。

普通解雇(会社都合)を行った時(普通解雇があっても支給される助成金もあります)
労働法違反があった時
適切に雇用保険・社会保険に加入していなかった時
労働保険料を滞納している時
不正受給が発覚した時

相談したら出来そうだった場合に準備するもの。

キャリアアップ助成金の場合(2020現在)
就業規則の写し(労働協約でも可)
労働条件通知書(雇用契約書)の写し
賃金台帳の写し
出勤簿またはタイムカードの写し
ほか書類

就業規則・労働協約等(36協定)は必須になっています(2020現在)。
就業規則を整備している歯科医院は、30%前後でしょうか。

就業規則が整備されていない理由は?

  • あると面倒なことになるから
  • 10人未満だから
  • 法人じゃないから

といったことのようです。

話は逸れますが、この就業規則
これは整備されるべきかと思います。
その理由は「求人」です。
就業規則のない企業に、優秀な人材は来ません。
これだけ働き方改革といわれているご時世に「うちはブラックです」とぶら下げているようなものです。
ご自身のご子息が企業に採用されるときに置き換えればご理解できるはず!

ということで、面倒でも就業規則は大事です。
社労士に制作を依頼するのが良いかと思いますが、自身でも厚労省のホームページで作成することはできます。
ただし、詳細内容に不備がないようにチェックするためにも士業にお願いすることをオススメします。

 

スタートアップ労働条件
URL:https://www.startup-roudou.mhlw.go.jp/support_regulation.html

 

依頼した場合の費用はどれくらいかかる?

一般的には「着手金」「成功報酬」の二本立て。
成功報酬は、助成金の20%程度というのが多いのではないでしょうか。


キャリアアップ助成金 1名採用
助成金 57万円
着手金 10万円
成功報酬 15万円
手元残り 32万円

インターバル制度導入 11時間の場合(※2019年度)
助成金 100万円
着手金 10万円
成功報酬 20万円
手元残り 70万円

※令和元年インターバル制度導入

これを高いと見るか、妥当と考えるか。
悩みますよね。
悩んでいる間に財源がなくなり、制度が終了することもあります。
私は東北エリアでビジネスがメインです。
お客様は物凄く悩みます。悩んで、結局結論が出せない検討事項のまま放置されます。
反面、関西・九州エリアの担当からのお話では順番待ちと聞きます。地域柄や人間性もあります。
短期間で慎重に考え、スピーディーに決断されることが一番ではないでしょうか。
原資は、経営者が負担されている雇用保険料です。

 

助成金はそのあとどうなる?

扱いは雑収入です。
医院経営が安定している場合、節税対策をきちんと考慮する必要があります。

 

支給されたあと心がけること

就業規則を遵守すること

新製品や機材を販売したい業者
経営に関するコンサルタント
こういった方々からのセールストークに助成金はキラーワードとして使われます。
お客様の持出し資金負担を抑えていただける有効な提案でしょう。
但し「かんたんにもらえます」は入り口のお話。
補助金と比較すると、助成金は事務手続きや携わる作業は比較的簡易なケースが多いでしょう。
助成金原資は雇用保険料です。不正受給が発覚すればペナルティもあります。
新しく準備したり、改正した就業規則も「助成金をもらったから翌年はもとに戻します!」という訳にはいきません。

まだ悩みます。

助成金は、丁寧に会社経営・医院経営を考え、スタッフや設備を大切に扱うためのお金です。
メリット・デメリットを箇条書してみる、メリットがありそうならば申請する、デメリットを感じれば見送る、先生自身の意思決定が大切です。

制度導入しているクリニックも増えています。

 

優秀なスタッフがいつもサポートしてくれること
最新の機械を導入することで満足できる診療の効率化
そういったメリットの先にあるベネフィットに助成金を是非ご活用してください。

 

 

気になる点は気軽にご相談ください。